ABOUT THIS PROJECT
AREA | 東京都練馬区貫井1丁目 |
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DATE | 2017.04 |
CLIENT | 三菱地所レジデンス |
SCALE | 68戸 |
森と美術館に紐づけた巨大な種のアートワーク。その半分の作品はスツールとして。作者は制作において、身近な生物や自然現象から受け取った、強く柔軟な力や生命感を表現することを試みてきました。これらの作品に出会った人の、一時の心の置き場、活力の糧として親しんで頂けたらと願います。
かつて湧水が湧き出ていた貫井の豊かな水から育み生まれた種子が成長していくさまを表現。エントランスにはアートスクエアにある種子の半分を設置しました。一方セントラルプロムナードにはさまざまな表情の種子が3箇所に設置されています。
アートスクエアの作品について、この種は、本来在るべき仁を持たず、一見虚な龍のようです。しかしその外殻は、光に向かって螺旋を描きつつ真上に伸びていき、下に映る影はかつてこの地を潤した水脈を探り当てた根のようにも見えます。一方エントランスに置かれた半分の種子には、何かが満たされています。内側から溢れるような隆起と、外側の有機的な表情、金属の質感を楽しんで下さい。
セントラルプロムナードの作品について、「地の心(期待)」は、葉にしっかりと包まれた球の中から、芽が伸びていくのか、それとも花が咲くのか。未来を夢見る物語です。「風の目(留心)」は、吹いてきた風に抗うのでも流されるのでもなく、そこに置かれた心の重さを支店にして柔らかく受け止めている形です。「初夏の羽翼」は、本来なら風に舞い落ちるだけだった楓の種子が、自らの翼で羽ばたいて飛び立とうとする姿です。